研究から分かる乳糖の効果

乳糖は遺伝的に乳糖が兆に届く

森永乳業とDeNAライフサイエンスが行った遺伝子研究では、日本人は遺伝的に乳糖が腸に届きやすいことが分かっています。

1214 名すべての日本人が成人で乳糖分解酵素の発現が少ないタイプの遺伝子型を持つことがわかりました。(中略)今回の研究結果から、日本人は小腸において乳糖の分解・吸収機能が弱く、乳糖が大腸に届きやすいことが予測されます。
(2018)「日本人にビフィズス菌が多い理由に乳糖分解酵素の遺伝子型が関与している可能性を確認/森永乳業」健康美容EXPO

乳糖は、腸内に届くと善玉菌を作るのに利用されます。乳糖が腸内に多く届けば、それだけ腸内環境が正常化します。乳糖によって作られる善玉菌は、ビフィズス菌、ガセリ菌、アシドフィルス菌があります。これらの菌は、「有用菌」と呼ばれ、消化吸収を助けたり、病気に対する抵抗力を付ける働きをします。

母乳は牛乳より乳糖が多い

一般社団法人Jミルクが示すデータと供述によると、母乳には多くの乳糖が含まれることが分かります。

  • 人乳は牛乳に比べ、糖質(乳糖)が1.5倍と多い
  • 糖質(乳糖)の量は、哺乳動物の中で最も高い値
  • 乳糖の構成成分ガラクトースは脳や神経の発育に欠かせない

参照:「牛と人の乳の違い」Jミルク

乳糖はヒトにとって特別な成分であり、人間の持つ思考力を育んでくれているのです。

乳糖が炎症を抑える

欧州の科学雑誌『Biochimica et Biophysica Acta – General Subjects』オンライン版に掲載された理化学研究所の研究では、L4と呼ばれる二糖が炎症を抑え、治療効果を持つことを明らかにしました。

L4と呼ばれる二糖がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のモデルマウスで炎症を抑え、治療効果を持つことを明らかにしてきました。
山口 芳樹(2018)「糖鎖L4が炎症を抑える仕組みを解明」理化学研究所

L4と呼ばれる二糖[2]がCOPDのモデルマウスで炎症を抑え、治療効果を持つことを明らかにしてきました。そして、乳糖は二糖に分類されます。二糖は二つの糖がつながった化合物でショ糖も二糖になります。

乳糖を腸内で利用されると水素ガスが発生する

先ほどの研究では、日本人は遺伝的に乳糖を吸収しづらいため、腸内細菌に利用され、善玉菌の生成をしやすいことが述べました。そして、乳糖が大腸で腸内細菌に利用されると水素ガスが産出されることが分かっています。

医学界では、水素ガスの持つ抗酸化作用が注目されています。水素ガスは体を酸化させる活性酸素と付着して除去する性質があるのです。乳糖での腸内環境正常化を試みることで得られるプラスアルファと言えますね。

参照:(2017)「協同乳業が新乳飲料開発 腸内で水素ガスを効率産出」SankeiBiz

乳糖はお腹を壊す乳糖不耐性として嫌われる側面もありますが、こういった良い側面とも向き合い、バランスを取っていくことが大事なのかもしれません。

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