トリペプチドの分子量と効果について

collagenトリペプチドとは、「トリ」ペプチド、つまり3つの結合したアミノ酸で構成されているペプチドのことです。 ここで、トリペプチドの構造や原料、美容の土台である「コラーゲン」との関係について説明していきます。

トリペプチドコラーゲンの構造式

トリペプチドは3つの結合したアミノ酸のペプチドなんですが、ではまず、ペプチドとはなんなのでしょうか。 ペプチドというのは、アミノ酸をモノマー(重合を行う基質。単量体)としてペプチド結合によって短い鎖のようにつながっている分子の総称です。

ここで、ペプチド結合という言葉が出てきましたね。

片方のアミノ酸のカルボキシ基「-COOH」と、他方のアミノ酸のアミノ基「-NH2」 が、脱水して縮合した「-CONH-」がペプチド結合です。

ペプチドが組み込んでいるアミノ酸は「残基」といって、これが2個のものが「ジペプチド」、3個のものが「トリペプチド」ということになります。

ちなみに、4個のペプチドは「テトラペプチド」で、以降「テトラペプチド」「ペンタペプチド」「ヘキサペプチド」という呼び名になり、残基10個以下が「オリゴペプチド」、多くのつながりでは「ポリペプチド」という名前です。

50個以上もつながっている長いペプチドはタンパク質と認識されることもありますが、その境界はあいまいで、残基が36個~43個の「アミロイドβ」や残基51個の「インスリン」等は単に長いペプチドと呼ばれます。

ペプチド結合は普通の炭素・窒素単結合よりすこし短く、部分的には二重結合という性質があります。

例えば、2つのアミノ酸が結合した「ジペプチド」は、ペプチド結合がひとつしかありません。 3つのアミノ酸が結合した「トリペプチド」にはペプチド結合は2つであり、結合前のアミノ酸とペプチド結合数は一致せず1つ少ないということになります。

トリペプチドコラーゲンに含まれる原料

アンチエイジングなどの美容製品に含まれているトリペプチドには、たいてい豚または魚のコラーゲン、あるいは高純度ゼラチンが原料になっていて、バイオリアクターを使った加水分解反応によって得られた生成物などです。

よく、グミやゼラチンパウダーなどでも、「豚由来のコラーゲン」という表記がありますよね? このトリペプチドの利用が、化粧品や医薬部外品等の外用剤や、研究用の試薬などの多くの分野の応用に期待されています。

また、トリペプチドは実はいろいろなところにあります。

・動物の抗酸化物質「グルタチオン」
・グルタチオンの類似体で眼の水晶体にある「ノルオフタルミン酸」
・甲状腺刺激ホルモンやプロラクチン放出を刺激する「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」

などがトリペプチドということをご存知でしたか?

真皮のコラーゲンとは?

肌の表皮と皮下組織の間にある真皮層に、美容や美肌にとって大切なコラーゲンが多く含まれています。 この体内のコラーゲンを維持することが美肌にとってのカギになるわけですが、加齢によってコラーゲンが減少してしまうのが問題ですね。

そこで、最近出てきたコラーゲントリペプチド配合の化粧品やサプリで、加齢とともに不足していくコラーゲンを摂取するという方法があります。

「効果がない」という説もあるコラーゲン関連の美容商品ですが、最近ではコラーゲントリペプチド配合の商品も登場していることもあって、信頼できる商品も出てきているようです。 実際、ネットの関連商品の口コミなどで、「確かに効果があった」という話も多く見かけました。

コラーゲンペプチドとコラーゲントリペプチドの違いについて

コラーゲンには「コラーゲンペプチド」「コラーゲントリペプチド」などの種類があって、これがまぎらわしいと感じる人もいるでしょう。 コラーゲンペプチドとコラーゲントリペプチドの違いとはどのようなものなのでしょうか。

最近の研究で、コラーゲンはすべてがアミノ酸に分解されずに、その一部が「ペプチド」になって、体のコラーゲン・ヒアルロン酸生成に働きかけることが分かってきました。

まず、普通のコラーゲンはアミノ酸が多くつながっている3重のらせん構造になっています。

ゼラチンはコラーゲンに熱を加えて分解したものです。 コラーゲンペプチドはゼラチンよりも細かに酵素分解したものです。 そしてコラーゲントリペプチドがコラーゲンの最小ユニット、3つのアミノ酸からなるペプチドです。

・コラーゲン
・ゼラチン
・コラーゲンペプチド
・コラーゲントリペプチド

の順にしたがって分子量が小さくなっていきます。

この分子量がポイントで、分子量が小さいほど体ののすみずみに届けられて、肌・関節・骨など、全身に活用されるということになります。 つまりコラーゲンペプチドは普通のコラーゲンよりも高い効果があり、コラーゲントリペプチドはそれよりもさらに効果があるということですね!

コラーゲンの経口摂取の効果

テレビなどでも紹介されているので、コラーゲンを食べれば美肌に効果があると普通は思いますよね。 ただ、ネットなどではコラーゲンを経口摂取しても効果は期待できないとも言われていました。

「それで、結局どちらなの?」という感じですが、最近の研究ではコラーゲンの経口摂取の効果について、「まったくないわけではない」ということがわかってきています。

まず、普通の状態のコラーゲンといものは分子量が大きく、体内に吸収されにくいというデータがあったため、「効果がない」という説があったのです。

しかし、低分子コラーゲンである「コラーゲンペプチド」はコラーゲンよりも分子量が少ないので、一定の効果があるという研究データがあります。

分子量が30万個のコラーゲンを分解したコラーゲンペプチドの分子量は100個以上からですが、このコラーゲンペプチドが線維芽細胞に働きかけ、これがコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンの産生をよくしているのではという最近の報告があります。

また、ご存知のとおり、コラーゲン配合の化粧品は現在数多く販売されていますね。 コラーゲンは保湿効果を持つタンパク質で、コラーゲン分子は周りにたくさんの水分子を保持できるからです。

これを皮膚に直接塗布することで、皮膚の水分が蒸発することを抑えるという、肌に対してのうるおいという面については期待できるとされています。 ただし、コラーゲンそのままが皮下に吸収されて利用されるといったことではないようです。

いずれにせよ、コラーゲンの経口摂取の効果についてはまだ研究の必要があるでしょう。

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