健康な脚とは?足に負荷を与えない体重コントロール

太りすぎるといろいろタイヘン

太りすぎて起きる病気はどんなものがあるでしょうか?糖尿病、高血圧、心臓病が思い浮かぶと思います。他にも肝臓に脂肪がたまってしまう脂肪肝、腎臓の病気、飲みすぎ食べ過ぎからくる痛風、眠っている間に気道が狭くなって起こる睡眠時無呼吸症候群など、太りすぎは様々な病気の温床です。
実は太りすぎは脚にも様々な障害をもたらします。歩いている時、脚には体重よりも大きな負荷がかかります。さらに走ったり縄跳びや球技などでジャンプしたりすれば、体重の何倍もの負荷がかかります。太っていればいるほど脚の負担は大きくなります。
負荷がかかることで脚の骨や筋肉は強くなっていきますが、骨と骨の間の関節でクッションの役割を果たしている軟骨は徐々に擦り減ります。軟骨が減っていくと関節内で炎症が起き、最終的には骨同士が直接ぶつかってしまうので激しい痛みが出たり、骨の変形が起きたりします。これが膝で起きると変形性膝関節症、股関節で起きると変形性股関節症という病気になります。
「脚の負担を減らすためにやせよう」と思って急に激しい運動をすることが、かえって脚の関節にダメージを与えてしまうこともあるのです。

関節に負担をかけずにやせること

関節に負担をかけずやせるためには、食事を中心としたダイエットと、脚に体重をかけない運動が必要です。
まず、生活では、起きる時間と寝る時間を決めましょう。夜型の生活や睡眠不足は太りやすくなります。
食事では、炭水化物(米、パン、麺など)とタンパク質(肉、魚、大豆など)そしてミネラル分(野菜、海藻、きのこ)を三度の食事でしっかりとり、お菓子やアルコールなどの嗜好品を減らしていきましょう。ゆっくりよく噛んで食べることで我慢せずに一回の食事の量も減らすことができます。果物や乳製品の摂りすぎも要注意です。
脚に体重をかけない運動にはどんなものがあるでしょうか?そうです、水泳がありますね。泳がなくてもよいのです、プールの中で歩くだけで十分効果があるのです。自転車も体重はサドルに載せるので脚の関節の負担は少なくなります。他にも、横になったまま、椅子に座ったまま行う筋トレは脚に体重をかけません。
ここから脚の関節に負担をかけずに筋肉を鍛える方法をご紹介していきましょう。

関節に負担をかけずに筋肉を鍛える方法

椅子に座って、ゆっくり呼吸をしながら行います。

1.両膝の間にボールを挟んで力いっぱい押しつぶす。
2.両膝をタオルで縛って膝を開こうと力を入れる。
3.脚の両脛を交差させ押し合う。
4.座ったまま足踏み。

脚を床と水平に宙に浮かせる。これだけでかなりの運動量です。関節の痛みが出ない程度に、歯をみがく時やテレビを見る時などの毎日の習慣に組み込んで行うと継続できます。はじめは各3回ぐらいから徐々に増やしていきましょう。運動では無理は禁物、やせてからもずっと続けるつもりで、息長くつづけることが大切です。
そして、もう一つ関節を守るために必要なことがあります。関節には日常生活でよく動かす場所と、あまり動かさない場所があります。普段あまり動かさない関節をゆっくり伸ばしてあげる運動がストレッチです。やせること、筋肉を鍛えることの他に、関節のメンテナンスとしてストレッチを行ってあげて下さい。
前回お伝えしたことを覚えていますか?「筋トレは時々さぼるくらいがちょうどよく、ストレッチはできる範囲で毎日行う」これが、運動のポイントでしたね。

とてもやせている人が注意すること

ここまで太りすぎている場合の注意をお伝えしてきましたが、実はやせすぎていても脚への悪影響があります。まずやせすぎていると脚の骨にかかる荷重が少ないため、骨密度が低くなりやすいことが挙げられます。もう一つは、食事量が少ないことからくる、栄養不足です。筋肉を作るためには肉、魚、卵、大豆などのたんぱく質が必要ですが、やせている方の食事ではこのたんぱく質が不足していることが少なくないのです。運動をしてもたんぱく質という材料がないので筋肉が作れず、疲れやすくなってしまいます。骨を維持するためのカルシウムの摂取も気になります。やせている方は特に、三度の食事にたんぱく質のおかずがあるかどうか、1日のうちで1回は乳製品や小魚などのカルシウムを摂っているかをチェックしてみてください。

いかがだったでしょうか、脚の健康は筋肉と骨そして、動ける脚の要は関節だということが分かっていただけましたか?脚の要「関節」に過酷な負荷を与えないために体重を上手にコントロールしていきましょう。

今日の復習
・太りすぎは関節をすり減らす
・やせすぎにも要注意

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