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スタンフォード大学が定義する快眠とは?
スタンフォード大学が過去に輩出された277の研究をまとめ、「良質な睡眠とは?」、つまり「快眠」について、答えを出しています。
・途中起きるのは1回まで
・途中で目が覚め場合、20分以内に再眠
・睡眠時間の85%以上が寝床
要は、「眠ろうとしたら、すぐに眠れて、途中に起きることなく、きちんと寝床で寝る」というのが、快眠の定義になります。
快眠法:日中の太陽光を多く浴びる
体内時計をコントロールし、自然な眠りを誘える体にしよう
体内時計は「朝起きて、昼に動き、夜に眠る」という人間本来に備わっている生活リズムを言います。体内時計が実際に過ごす1日の周期とズレないことが快眠へと繋がっていきます。そこで重要なホルモンがメラトニンです。メラトニンは体内時計をコントロールし、私たちを自然な眠りに誘うホルモンです。メラトニンは本来、睡眠の2~3時間前に分泌が始まると言われています。
しかし、現代の生活において、夜にパソコンやスマートフォンなどの光を浴びると、メラトニンの分泌は抑えられると言われています。
快眠法1:寝る前にブルーライトを浴びない
寝る前はなるべくデジタル環境から離れて下さい。寝室にはスマホは持ち込まないというようなマイルールを決めましょう。そのことにより、メラトニンがきちんと分泌され、寝つきが良くなります。
快眠法2:朝に自然光をきちんと浴びる
起床時間は人によって異なるかもしれませんが、朝日を浴びることによって、メラトニンの分泌が抑えられ、生体リズムが補正されやすくなります。デスクワークが多い人も自然光を浴びる時間をどうにか捻出してみましょう。
2013年キャンプでのメラトニン分泌を調査したコロラド大学の研究チームは、「自然の光をたった2日浴びるだけで体内時計が69%もシフトする」という結果を導き出しています。
睡眠医学の専門家である国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部長の三島和夫さんは、「午前中に光を浴びると体内時計が朝型に、夕方以降に光を浴びると夜型にシフトする」するとしています。(参照:「早寝・長寝・昼寝 不眠症を招く3つの悪習慣 」NIKKEI STYLE)
全国14万人の研究から分かった良質な睡眠法
快眠法3:家族で睡眠時間を統一する
メディプラス研究所・オフラボが発表した、全国14万人(男女各7万人)に行った「ココロの体力測定」調査結果では、「家族でほぼ同じ時間に起きる」は、低ストレス者のほうが高ストレス者よりも1.66倍多いという結果になりました。
また高ストレス者は「自分が一番遅く寝る」「パートナーと寝る時間に差がある」が低ストレス者と比べて2倍近くになっています。
快眠法4:睡眠環境を向上させる
その他、メディプラス研究所・オフラボの調査では、低ストレス者は「シーツや枕カバーは毎日替える」「寝る前は暖色や間接照明」「完全に消灯して寝る」が高ストレス者よりも高く、眠る前から準備をする、清潔に気を配るなど、睡眠環境への気配りが見られたようです。
きちんと寝室を掃除する、もしくは、寝具に思い切って投資するのも、快眠法としては大事でしょう。睡眠を8時間とすれば、人間の人生の3分の1を過ごす場所なので、そこにお金を掛けることは悪くないと言えます。
ソーシャル・ジェットラグを考えよう
快眠法5:土日の睡眠の時間差をなるべくなくす
休日(休日前)はやっぱり平日とは違って、思いっきり遊んだり、思いっきり休んだり、そういった極端な活動をしたくなりますよね。
そこで、考えて欲しいのが平日と休日のソーシャル・ジェットラグです。
例えば、平日に午前0時に寝て午前6時に起きた場合、睡眠中央値は真ん中の午前3時になります。休日に午前2時から午前10時まで寝ていれば、睡眠中央値は午前6時になります。この場合、社会的ジェットラグは午前3時から午前6時までの差、すなわち3時間となります。
この時間差、いわゆる時差が3時間となれば、海外旅行での時差ボケのようになりますよね。ですから、休日の楽しみ方も、平日の活動期と同期させることで、ソーシャル・ジェットラグが少なくなり、年間を通した快眠生活へ繋がっていきます。
年齢を重ねれば、筋力や視力と同様に睡眠力も衰える
快眠法6:酵素サプリを摂り入れよう
「睡眠をする力」という観点で睡眠を捉えた指摘として、睡眠研究の第一人者である国立精神・神経医療研究センターの三島和夫先生の意見が非常に参考になります。
「年齢を重ねれば筋力や視力が衰え、白髪が生えてくるのと同様に“睡眠力”も衰えてきます。この衰えは、実は筋力の衰えよりも激しい。筋力は筋トレなどでかろうじて向上や維持ができるかもしれませんが、眠る力はそうはいきません。中高年になってエネルギー消費量や基礎代謝が落ちてくると、深い睡眠の必要性も低下してきますので、これはもう自然の摂理と捉えるべきですね」
三島和夫(2018)「睡眠研究の第一人者が説く、良い眠りの「真常識」」日経トレンディネット
ですから、酵素のサプリメントを飲むことで、酵素をどんどん体に摂り入れ、代謝を上げるのは良いことです。また、酵素は代謝だけでなく、消化・吸収・分解の力も底上げしてくれ、腸内の環境を良質にしてくれます。すべての健康増進に繋がるので、快眠対策をしながら、あらゆる健康が底上げされるのはうれしいですよね。
お風呂と睡眠は繋がっている
快眠法7:睡眠前90分入浴&40度全身浴
『スタンフォード式最高の睡眠』の著者、スタンフォード大学の西野精治教授は、40度のお風呂に15分入ると深部体温が0.5度上昇し、90分かけて元に戻ることから、睡眠前90分の入浴をゴールデンタイムとしています。
また、「「お風呂・温泉」を医学的に研究し、のべ3万8000人の入浴を調査してきたという温泉療法専門医である早坂信哉医師は、以下の入浴方法を推進しています。
②「全身浴」で肩まで浸かる
③浸かる時間は、10分から15分
④入浴剤でリラックス効果アップ
⑤入浴後は、温熱効果を逃さない」
快眠の観点からの睡眠のコツは、深部体温をきちんと下げながらも、皮膚体温を下げないことだと言えます。人は寝る前、毛細血管が発達している手足から熱を逃がし、深部体温を下げています。深部温度と皮膚温度の差が2°C以下に縮まるとスムーズに入眠できます。
そのため、クーラーをがんがん掛けるような夏は、皮膚体温を冷やさずに、深部体温を下げる工夫が必要です。その際は、アイスラリーを飲むことをオススメします。アイススラリーは、細かい氷の粒子が液体に分散した流動性のある氷で、その氷で溶かした水を飲むようにしましょう。
覚醒作用のあるカフェインと快眠
快眠法8:午後はミネラルウォーターを飲む回数を多くしよう
覚醒作用のあるカフェインは、体内で消化されるまでには時間が掛かるのをご存知でしょうか?カフェインの消化時間については、様々な指摘があります。
摂取したカフェインの半分を消化するのに5〜6時間かかることもあります。このため、午後2〜3時以降はカフェインを含む飲み物は飲まない
就寝1時間前と3時間前に、合計200mgのカフェイン(コーヒー2杯強に相当する)をとると、10分ほど寝付く時間までの時間が長くなり、30分程度、睡眠時間が短くなるという報告があります(J Sleep Res,15(2),133-41,2006)
参照:(2017)「カフェインが気になる コーヒーは1日何杯までOK?」NIKKEI STYLE
個人差はあるものの通常3~4時間以内に排泄される。
参照:「カフェインの安全性、代謝、健康に及ぼす影響。」コカ・コーラ
カフェインの血中での半減期は1.5時間から9.5時間と大きく異なる。つまり血液のカフェインが半分になるには最大で9.5時間もかかってしまう。
このことを考えると、1日の中でカフェインを最後に取る時間帯を早めるのも良いかもしれません。コーヒーならデカフェにしたり、代わりにミネラルウォーターを摂取するのも良いでしょう。
株式会社ファンケとル九州大学大学院の研究で分かった快眠
快眠法9:日常的にL-セリンを摂取する
株式会社ファンケとル九州大学大学院で共同研究では、牛乳や肉、大豆などの高タンパク質の食品に含まれるアミノ酸の一種「L-セリン」が睡眠の質を高める研究結果を出しています。
日常的にL-セリンを摂取することで体内時計の乱れや時差ぼけを改善されていきます。
睡眠改善インストラクターの小林麻利子さんのアドバイス
快眠法10:夏はエアコンは26度、湿度は50%
睡眠改善インストラクターの小林麻利子さんは、手足を冷やし過ぎずに保つことが快眠のコツだと述べています。
夏場の場合は、室内は26度に、湿度は50%台に保つことが快眠のコツのようです。
その理由として、同じ気温でも、湿度が70%を超えると、中途覚醒が1.3倍に増えることが研究でエアコンなどで手足が急に冷えすぎてしまうと、血管が収縮して、逆に熱が放出されにくくなるからです。(参照:(2018)「エアコンは26度、湿度は50%に!快眠ができる寝室の作り方」女性自身)
起きた後の回復度は体を動かしたほうが良い
快眠法11:寝る前にストレッチを行う
グリコの「睡眠と運動の関係性とは?良質な睡眠で運動パフォーマンスを向上させよう!」という記事の中には、「何もせず体を休める完全休養では20~30%の疲労回復度なのに対し、体を動かす積極的休養では70~80%の回復度が示されたデータがあります」と記載されています。
その他の文献にも就寝前のマッサージやストレッチは快眠のために有効な方法とされていました。寝る前にストレッチをする、その際は気を安らいで、体を温め過ぎずに行うようにしましょう。
考えると脳が深部体温を高める
快眠法12:寝る1時間前は考える活動を止めてみる
脳は体温とも関係していて、脳が興奮していると体温も下がりにくくなると言われています。そのため、考えるような活動を寝る前は止める習慣を付けると良いでしょう。
特にブルーライトとコラボレーションになる「スマホでのSNSの閲覧」は、考えを煩雑にしますし、自尊心にダメージを与え、ストレスにすらなります。家に居る時に、周囲の活発な活動を閲覧することは、脳を休めることと逆行する活動です。
ぜひ、寝る前1時間前は考える活動を止めてみましょう。
良質な睡眠人生がすべての活動に繋がってくる
以上、快眠方法についてお伝えしてきました。どれも難しいものではありません。小さなところから取り入れて、睡眠の質をどんどん高めていきましょう。
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