結局、塩分の摂り過ぎってどれくらい?

洋食に比べ、日本食は塩分が多い傾向になる

塩分控えは、健康法の意識として世の中に浸透していると思います。

料理 単位 食塩量
天ぷらそば 1杯 6g
梅干し 1個 2g
カレールー 1カケ 2.1g
塩さば 1切れ 2.7g
塩鮭(辛口) 1切れ 5.1g
カップ麺ラーメン 一杯 6.9g

意外と、天ぷらそばやカレーのルーの塩分量が多いという印象がありました。また、健康に良いとされる魚も、塩漬けを施すと、塩分量が高まりますし、味噌汁や漬物が加わると、さらに塩分の多い食生活になっていくでしょう。

2013年に医学誌『BMJ Open』に掲載された報告では、日本人の一日の食塩摂取量は平均12.4gと推定され、この世界第3位の塩分摂取量になっています。

食塩と高血圧の関係

食塩摂取量を1日3グラム減らすと、血圧が平均1~4mmHg下がることが期待できると言います。日本人の血圧が平均で2mmg下がると、日本全体の脳卒中や心臓病などの死亡者年間約30万人から約3万人、10%も減らせるという推計もあります。世界規模で言えば、平均摂取量である約10 gにまで摂取量を減らせば,世界で約51万人の循環器疾患死亡を減らすことができるとも推定されています。

日本では成人の3人に1人、高齢者の3人に2人が高血圧と診断されています。2006年の厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40~74歳の日本人のうち、男性の約6割、女性の約4割が高血圧となっています。なので、高血圧に対する対策として、塩分を控えることが大切な方法の一つと言えます。

厚生労働省の食塩摂取目標量

男性9g未満~、女性7g未満

日本の健康に関する政策分野を主に所管する厚生労働省は2015年に1日の食塩摂取目標量(18歳以上)を改訂しました。男性が9g未満から8g未満、女性が7.5gから7gです。

これは、次に述べる世界保健機構(WHO)による食塩量減少運動に同意している影響もあるでしょう。

世界保健機構(WHO)による食塩摂取量

食塩1日5g未満に抑えるべき

世界保健機構(WHO)は、「世界的に塩分摂りすぎ傾向にある」と考えています。1日平均9~12gの摂取は、最大推奨摂取量の約2倍で、「塩を摂り過ぎている」と述べています。

世界保健機構(WHO)の推奨量は1日5g未満としています。1日5g以下に抑えることで、

  • 血圧及び循環器疾患
  • 脳卒中
  • 冠動脈性心臓発作

のリスク低減に役立つと述べています。減塩によって高血圧を避けることが、高血圧によって起こる疾病の回避に繋がるという考えです。世界保健機構(WHO)加盟国は2025年までに世界人口の塩分摂取量を相対的に30%低減することに同意しています。世界は減塩傾向に向かっているということです。

国立循環器病研究センター病院の食塩推奨量

食塩量が1日6g未満

国立循環器病研究センター病院が自分たちの病院に入院する患者へ提供している料理は、、食塩量が1食2グラム程度、1日合計6グラム未満になります。つまり、食塩摂取推奨量は1日6g以下となります。

素材の旨みを引き出し、塩気が少なくてもしっかり味があっておいしい料理の提供に心掛けているようです。

NUTRICODEの食塩推奨量

食塩量1日5g以下

NUTRICODEの研究では、世界165万人の心血管死亡は、1日2グラム(食塩5.0グラム)以上のナトリウム摂取に起因することが判明しました。食塩量は1日5g以下に落とすべきだとしています。

イギリスの一流医学誌「The Lancet」に見る食塩推奨量

食塩量1日7.5g~15g

イギリスの一流医学誌「The Lancet」に掲載されたカナダ・マックマスター大学のMartin O’Donnell氏らが行ったPURE試験では、面白い結果が導きだれました。

  • 1日に15g以上の摂取で死亡リスクが高まる
  • 1日に7.5g以下の摂取でも死亡リスクが高まる

この結果は、どういうことかというと、塩分を制限することが健康に良いのは、高血圧などの病気を持っている人だけで、そうでない人にとっては塩分は充分に取ることがむしろ健康的だということです。高血圧の人は、塩分を控え、血圧を上げることを避ける必要がありますが、そうでない人は、減塩に敏感になり過ぎずに、塩分を摂取しても良いという主張です。

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