コーヒーは1日何杯で健康になる?コーヒーと研究のまとめ

みんなが愛するコーヒーは、研究対象としても大人気

皆さんは、新聞やニュースで「1日〇杯のコーヒーで死亡リスクが〇%低下!」といった記事をご覧になったことがないでしょうか?

実は、コーヒーは、世の中のかなり研究されている飲食品の一つです。世界中で愛されている飲み物なので、多くの学者がコーヒーのもたらす影響が気にしているのでしょう。

では、実際に、コーヒーの研究にはどんなものがあって、どんな研究結果を導き出しているのか、気になりますよね。

そこで、今回は、コーヒーの研究を一挙まとめてみました。一挙にまとめてみると、コーヒーに関する知識も深まりますが、それよりも、研究に関するニュースの本質を考える力が身に付きます。ぜひ、楽しくご拝読頂ければと思います。

1日5杯までのコーヒー摂取は、糖尿病や心臓血管疾患のリスクを下げる

ハーバード大学の研究

ハーバード大学と言えば、日本の書籍でも「ハーバード流の…」といった形で、多くの指南書が登場していますよね。そんなハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院栄養学科の博士研究員であるVasanti Malik氏は、

  • 砂糖を最低限にする
  • 甘味料を入れない
  • 生クリームを入れない

という条件のもと、コーヒーは健康な飲み物とだと提言し、1日5杯までのコーヒー摂取は、糖尿病や心臓血管疾患のリスクを下げるということがハーバード大学の研究で分かっていることを述べています。

また、Malik氏は、1日5杯以上飲んでも、それ以上の効果は期待できないことも示唆しています。

参照:Medical Jessica Stillman(2016)「ハーバード大学の研究者「1日5杯までのコーヒーは健康に良い」ライフハッカー[日本版]

コーヒーがアルツハイマー病にも良い

カナダ、クレンビル脳研究所の研究

コーヒーがアルツハイマー病などの予防になり、脳の健康に良いとする研究も存在します。

コーヒーをロースト(焙煎)するとフェニルインダンが生成されます。そのフェニルインダンには、アルツハイマー病やパーキンソン病につながるアミロイドβというタンパク質が脳にたまるのを防ぐ働きがあります。

よって、コーヒーをバランス良く飲むことで、脳の健康を健やかにする側面があるというものです。

参照:Medical News Today,UCC (2018)「コーヒーが脳の健康によい理由が判明。ローストは深煎りの一択で」ライフハッカー[日本版]

ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズの掲載研究

2009年にアルツハイマー病の専門誌『ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ』に掲載された北欧の研究では、1日3~5杯のコーヒーを飲む人は認知症またはアルツハイマー病と診断されるリスクが65%低かったと報告しています。調査は、約1400人から20年にわたり収集したデータを分析した結果になります。

また、2015年の『ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ』のオンライン版では、イタリアのバーリ大学を中心とした研究グループがコーヒーを飲む習慣を続けると、認知障害の発症を抑えられる可能性があると分かった。

カフェインに期待できる効果
・寝起きをスッキリさせる
・カフェインには集中力を高める作用がある
・カフェインがアミロイドβを作る酵素の働きを抑える

アミロイドβは、カナダ、クレンビル脳研究所の研究でも登場しましたね。クレンビル脳研究所の場合は、焙煎によるフェニルインダンがアミロイドβというタンパク質が脳にたまるのを防ぐことを伝えていまいたが、この研究では、カフェインがアミロイドβを作る酵素の働きを抑えることを伝えています。

参照:田邉愛理(2018)「【問題】コーヒーはアルツハイマー病の発症を予防する?|健康のウソ・ホント20」MYLOHAS

コーヒーを飲むと長生きをする

アメリカ国立がん研究所の研究

アメリカ国立がん研究所がアメリカの医学雑誌であるThe Journal of the American Medical Associationのオンライン版では、コーヒーをたくさん飲む人は長生きするという研究結果が発表されました。

研究は、イギリスの調査に参加した50万人のデータを分析。研究を行ったエリカ・ロフトフィールド研究員や研究論文の筆頭著者である、アメリカ国立がん研究所のエリカ・ロフトフィールド氏は、以下のようなことを示唆しています。

  • カフェインレスコーヒでも長寿に影響する
  • だから、カフェイン以外が長寿に影響する
  • コーヒーには1000種類以上の化合物が含まれている
  • その化合物の中には細胞を損傷から守る効果をもつ抗酸化物質もある

コーヒーは豆から挽いた飲み物で、自然の飲み物です。自然由来のコーヒーをバランスよく飲むことで、自然由来の多彩な化合物を体に摂り込み、それが良い影響を与えているのかもしれません。

参照:「コーヒーをたくさん飲む人は長生きする傾向がある」という研究結果」GIGAZINE

南カリフォルニア大学の研究

南カリフォルニア大学が18万6千人を16年間にわたって調査したデータによると、アフリカ系アメリカ人、日系アメリカ人、ハワイ先住民、ラテン系、白人を含む、全人種で死亡リスクの低減につながると結論づけました。

、アフリカ系アメリカ人、日系アメリカ人、ハワイ先住民、ラテン系、白人を含む、複数の人種にまたがる18万5000人のデータを16年間に渡って調査した。研究者は、コーヒーの消費パターン、個々人の健康データ(たとえば喫煙するか、あるいは持病があるか等)を質問によって調べた。

1日に2〜4杯のコーヒーを飲んでいた人は、飲まなかった人にくらべて、心臓病、脳卒中、がんなどの病気で死亡するリスクが18%低かったという。

研究は、コーヒーの消費が多いほどハワイ先住民を除く、全人種で死亡リスクの低減につながると結論づけた。ハワイ先住民には目立った差はなかった。

参照:Lindsay(2017)「コーヒーは健康にいい。16年間、調べてわかったこと(研究結果)」HUFFPOST

コーヒーを1日4杯以上で大腸がん強い暴リスク低下

ハーバード大学の研究

ハーバード大学医学大学院病理学の荻野周史教授らは、1日4杯以上のコーヒーを飲んでいる患者は、ほとんど飲まなかった患者に比べて大腸がんの再発や死亡する危険度が低かったという調査を発表。

ステージⅢの大腸がんと診断された患者953人を7年間にわたって追跡調査をした結果で、米臨床腫瘍学会誌「Jジャーナル・オブ・クリニカル・ オンコロジー」の電子版に掲載されました。

この研究では、デカフェのコーヒーでは、大腸がんの再発や死亡の率に変化が見られなかったことから、デカフェのコーヒーでは効果がないとしています。

参照:「1日4杯以上のコーヒーで大腸がん再発&死亡率低下」yomiDr.

1日4杯コーヒーを飲む人は死亡率が16%低下

ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の調査

1966年から2013年に及ぶ研究21件、合計約100万人分析した結果、1日4杯コーヒーを飲む人は死亡率が16%低かったと結論付けています。

参照:櫻井祐子(2018)「ハーバード教授が断言「コーヒーをたくさん飲む人は長生き」」Daimond online

コーヒーを1日3杯以上で結腸がんのリスクが59%低下

南カルフォルニア大学ノリス総合がんセンターの調査

南カルフォルニア大学ノリス総合がんセンターの研究者がイスラエル人8500人を対象にした調査では、1日に3杯以上コーヒーを飲む人は、結腸がんのリスクが59%も低いことがわかりました。

参照:MYLOHAS編集部(2018)「【問題】コーヒーはガンのリスクを下げる?|健康のウソ・ホント02]」MYLOHAS

コーヒー1日4杯以上で酒さ23%低下

中国・青島大学などのグループ研究

酒さとは炎症性の皮膚疾患で、顔が長時間赤くなるのが特徴です。 繰り返す顔のほてりと発赤によって発症し、徐々にニキビに似た発疹も出てくることがあります。 症状が長引くと鼻瘤(だんご鼻)を形成することもあります。

中国・青島大学などの研究グループは、米国人女性の健康に関する前向き疫学研究を解析。カフェイン入りのコーヒーを1日4杯以上飲む女性で、酒さリスクの明らかな低下が見られました。

1日4杯以上飲むグループでは、1カ月に1杯未満しか飲まないグループと比べて酒さリスクが23%低かったようです。しかも、茶や炭酸飲料、チョコレートなど他の食品からのカフェイン摂取ではリスクの低下が確認できなかったため、カフェイン以外のコーヒーに含まれる化合物が酒さに影響を与えている可能性が示唆されます。

参照:(2018)「コーヒー1日4杯で得られる健康メリットとは」健康百科

最後に:今後もコーヒーの研究動向に注目

コーヒーに関する研究はこれからも頻繁に行われて、次々と新しい事実が分かってくるでしょう。飲み物は「これを飲んどけばいい!」という単品摂取よりも、病気リスクを低下させてくれる健康が示唆される飲み物を多様に飲みながら、多様性を持たせることが今のところのベストな飲み物との向き合い方なのではないかと思います。

ぜひ、今後もコーヒーの研究に注目してみて下さい。

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