孤独は健康に毒?孤独と健康の関係について

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孤独やつながりの弱さは寿命を短くする

孤独が健康に害であることは、様々な研究が明らかにしています。アメリカ連邦政府の前公衆衛生局長官、ビベック・マーシー氏が「孤独は深刻化する伝染病」と述べています。

最も有名なアメリカでの調査では、孤独やつながりの弱さは寿命を短くし、死亡リスクとしては、1日にタバコを15本吸うことに匹敵し、肥満の2倍の影響があるとしています。

旭川医科大学の杉岡良彦医学博士(2018)の「孤独に関する医学的研究と人間の孤独性」では、孤独はストレスを強め、行動の幅を狭め、認知機能を低下させることを述べています。

孤独を感じることを起点として、様々な生活習慣が変質し、健康への害が多く強くなっていくと考えられています。

実は日本では26歳の女性が一番孤独!?

三菱総合研究所の劉瀟瀟(リュウ・ショウショウ)研究員が行った20~69歳の男女3万人を対象に「孤独を感じる時があるか」をテーマに細かく調査を行いました。

その結果、「とても孤独を感じる」「孤独を感じる」という回答割合が最も高かったのは26歳女性では、33.9%に達した。

ただし、この結果の分析には注意が必要です。定点的な孤独を感じる時はあっても、孤独がケアできる時間をきちんと取ることができるのも、女性ならではの特性かもしれないからです。

自殺予防相談SNSの相談の95%が女性、実際の自殺の70%が男性

厚生労働省が2018年に行った調査では、若者の自殺対策として実施している会員制交流サイト(SNS)での相談事業に関し、9548件のうち、相談者の95%が女性でした。

しかし、実際の自殺者数はというと、警察庁が発表した2017年の自殺者数は「21,321人」で、そのうち約70%が男性となっています。

このことからも、孤独を感じた時に、対処できる人間関係や、人間関係を持っていない場合は、誰かと繋がり、吐き出せる場所へきちんと行くということが大切だとも言えます。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のカーラ・ペリッシノット博士らは2012年に、孤独を感じている人の大半は結婚していて、共に暮らしている人がいて、臨床的なうつ病ではないとの研究結果を発表しています。つまり、断続的に感じる孤独感を溜め込まない環境があれば、孤独による健康被害は避けられるのです。

SNSの利用、1日30分にすれば孤独感や抑うつが軽減

スマホとネットがあれば、私たちは四六時中、他人の情報やリアルに接することができるようになりました。実は、SNSも孤独感を自然に高めてしまう内容になっているのです。

ペンシルベニア大学で行われた研究では、学部生143人がランダムに2つのグループに分け、SNS利用の研究を行いました。

実験の概要
・SNS1日10分の利用に限定されたグループ
・SNSを制限なく利用できるグループ
・3週間続ける

その結果、SNSに費やす時間を1日30分ほどに抑えると、孤独感や抑うつの軽減につながるという研究結果になりました。

スマホで何かを見るのがクセになってしまう方は、孤独感を増幅させているかもしれません。スマホを閲覧する時間・時間帯・場所・回数などを自分の中で決めてみるのも良いでしょう。

また、スマホを持たずに旅行をして、自然に触れ合うデジタル・デトックスも取り入れると良いです。

社会的に孤立すると睡眠が乱れる

ニューヨークのワイル・コーネル・メディスンの医師で研究者のドゥルーブ・クラーは2016のニューヨーク・タイムズで、社会的に孤立している人には睡眠パターンの乱れ、免疫反応の異常、認知低下の加速が見られると指摘ししています。

また、カリフォルニア大学バークレー校による研究チームによると、睡眠不足はメンタルに影響を及ぼし、孤独の増大にも関係していることが示されました。

この研究は、2日間の夜のうち1日でも質の悪い睡眠をした被験者は、両方の夜をおだやかに眠った人々よりもやはり、孤独を感じる傾向が見られたと報告しています。

たった2日間の睡眠の違いで孤独を感じる傾向が見られたということは、質の悪い睡眠を重ねることで、孤独はより増大するとも言えます。逆を言えば、孤独感が強い時は、何も考えず、睡眠への没頭を最優先させるのも良いでしょう。

超高齢期にも孤独のピークが訪れる

ブリガム・ヤング大学の心理学教授ジュリアン・ホルトランスタッドらは計340万人を対象とした70もの研究を分析。その結果、孤独を感じるピークは思春期と青年期で、超高齢期に再びピークが来ることが明らかになりました。

ホルトランスタッドは「65歳以上よりも65歳未満のほうがリスクは大きいことが分かった」と述べています。これは、高齢期の様々な物事を受け入れるようになっているからなのかもしれません。また、高齢になればなるほど、心配を掛けてくれる人が増えるということも推測されます。

孤独がアルツハイマー病の前駆症状である可能性も

前駆症状とは、「ある病気の前触れとして現れる症状」を指します。

ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ・ホスピタルの老年精神学者で神経学の研究者であるナンシー・ドノバンらは、正常な認知能力の成人79人を対象にしたハーバード・エイジングケア・ブレイン・スタディのデータから、孤独に対する評価のスコアと脳内のアミロイドの量に関係性があることを発見しました。

アミロイドの蓄積は、アルツハイマー病の主な兆候と考えられているため、孤独がアルツハイマー病の前触れであることが示唆されています。

良好な社会関係や人間関係で寿命が延びる

ブリンガムヤング大学が2010年に行ったメタ分析では、人間の寿命を延ばす効果がずば抜けていたのが「良好な社会関係」という結果になりました。これは、孤独と研究に関する研究から31万人のデータを精査した結果です。

孤独な人に友達ができた場合は、最大で15年寿命が延びる傾向があることも分かりました。友達ができることの健康効果はエクササイズやダイエットの約3倍になると示しています。

また、ハーバード大学の成人発達研究は、1939年から724人の人生を記録し続け、全員が10代の学生だったころから調査をはじめ、、被験者に定期的に体調や幸福度を尋ね、医者からのカルテや家族との会話のビデオをチェックするなど行いました。その結果、体の健康を守り、心に幸福感を与えている要素が「良い人間関係」だということが分かりました。

人は人として生きていくから、人との関わりに幸福感を得られることで、ストレスに強く、神経にダメージを与えずに、健やかなライフスタイルをスパイラルさせることができるのだと言えます。最も根本的で接近的なコミュニティ(家族・会社・恋人・友人)で満足感を得られれば、お酒に逃げたり、夜更かししたりなど、自傷的なことがバランスよく行えるのもあるでしょう。

ぜひ、皆さんの周りの人たち、または、日常ですれ違う人を大切に想って過ごしてみて下さい。

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