2018年8月31日、あのロート製薬が世界で初めて「ミトコンドリアトランスファー」によって肌細胞(線維芽細胞)の老化度の改善に成功したというニュースがありました! これは美容に気をつけている人にとって非常に気になるニュースですよね。
ということで、ここでは各メーカーの線維芽細胞の研究とロート製薬が実験に成功した「ミトコンドリアトランスファー」についてご紹介しましょう。
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線維芽細胞の衰えで老化が加速する
私たちの体には骨・軟骨・脂肪・皮膚などを作る「結合組織」というものがあります。 これは細胞の間を埋めたり、体を支えたりしている重要な細胞です。 結合組織の基本が「線維芽細胞」で、全身の結合組織のなかにあります。
つまり、加齢による線維芽細胞の衰えによって体の老化が加速されてしまいます。
老化といえば、肌も当然老化していきます。
年齢と共に肌が衰えていくメカニズムをご存知でしょうか? 肌の衰えも、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を作っている線維芽細胞の衰えが原因のひとつなんです。
線維芽細胞は肌のうるおいとハリのもとであるコラーゲン・ヒアルロン酸などを生成し、そのコラーゲンと自己をつなげて互いに引っ張り合うことで肌にハリが生まれます。
コラーゲンとヒアルロン酸に線維芽細胞が影響し合ってハリがある美肌ができますが、この状態をずっと保つことはできせん。加齢によってコラーゲン・ヒアルロン酸の量は減っていき、これらを作る線維芽細胞の数も減っていきます。
また、細胞年齢が上がることで線維芽細胞がコラーゲンを引っ張る力も衰え、これが、肌のシワ・たるみなどにつながります。
線維芽細胞の活性化でコラーゲン生成?
美肌を目指すときは肌の仕組みを知ることが大切です。
上記のように線維芽細胞は美肌の維持に深い関係があるため、この働きをアップさせることが重要になります。
では、線維芽細胞の活性化はできるのでしょうか。線維芽細胞の活性化に、アロエがよいという話があります。
たとえば、森永乳業は「アロエステロール」という成分を見つけました。これは、アロエの一種アロエベラから見つかった、葉肉部位に含まれている植物ステロール5つの総称です。
植物ステロールというのは、植物に含まれている成分のひとつで、コレステロール吸収を抑え、血中にある悪玉コレステロールを下げるという働きがあるとされ、特定保健用食品にもなっています。
森永乳業はこのアロエステロールが線維芽細胞を活性化させたとして、つまりコラーゲンの生成にも効果が期待できるとしています。
ミトコンドリアトランスファー 細胞の抗酸化力が高まる
2018年8月、医薬品メーカーでおなじみのロート製薬株式会社が、「ミトコンドリアトランスファー」が皮膚の線維芽細胞に与える影響の実験を行いました。
この実験で、皮下組織にある脂肪幹細胞のミトコンドリアを真皮層の線維芽細胞に輸送すると、線維芽細胞の老化の改善に成功しました。これは世界初の実験成果です!
ミトコンドリアトランスファーを起こした線維芽細胞では、通常の老化度の40%が改善されたそうです。また、ミトコンドリアトランスファーが起きると、細胞の抗酸化力が高まることも実証しています。
肌が加齢などによって「酸化」することで肌のトラブルが増えてくると言われているため、これも肌の質に関わっていることですね!
さらに、ミトコンドリアトランスファー効果を促す成分調べた結果、「プルーン分解物+アロエベラ葉エキス」という組み合わせがこの効果が生んだことを発見しました。
これの組み合わせによって、損傷した肌細胞にミトコンドリアが多く渡り、回復に導きます。
ロート製薬はかねてから今注目の「再生医療事業」に取り組んでいて、幹細胞の研究を推進していました。そこで培った技術・知見を再生医療事業に以外にも皮膚研究へと応用しています。
今後は、このような実験から美肌を目指せる化粧品やサプリが出てくるかもしれませんね!
肌が若返る!?ミトコンドリアでお肌のハリと弾力
学校の生物の時間でも習ったので、「ミトコンドリア」という言葉は聞いたことがありますよね。 これはほとんどすべての生物の細胞にあって、エネルギーを生み出しています。
ミトコンドリアは細胞が生きていくのに欠かせないもので、細胞の老化にも関わっています。 このミトコンドリアが、細胞の間で受け渡されるという現象が最近の研究でわかってきていて、この現象を「ミトコンドリアトランスファー」といいます。
これは細胞の間にトンネルをつくって、そこにミトコンドリアを輸送する現象で、幹細胞で起こりやすいとされています。つまり、上記の実験でもわかるように、ミトコンドリアの輸送によって肌のハリや弾力をよみがえらせることができるわけですね!
線維芽細胞 トリペプチドコラーゲン
美肌に欠かせないコラーゲンは、肌の真皮層にある線維芽細胞によって作られています。コラーゲンを化粧品や食べたり飲んだりして摂取しても効果がないという話がありますが、そこで最近登場したのが「トリペプチドコラーゲン」です。
このトリペプチドコラーゲンの摂取によって、コラーゲンを作り出している線維芽細胞の増殖にも効果があったという話があります。
株式会社明治ではコラーゲンペプチドの摂取後に、消化吸収した分解物の肌に対しての効果を調べた細胞実験で、コラーゲン由来トリペプチドに皮膚線維芽細胞の増殖とヒアルロン酸の産生促に効果があったこと実証しました。
このことにより、コラーゲン由来トリペプチドが、美肌を保つために有効な成分のひとつであると示唆されています。
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