冬の寒い時期は水の冷たさが骨身にしみるので、
お湯を使って食器を洗う機会が多くなります。
湿度の低さも手伝い、シモヤケやヒビ割れなど
肌の悩みは尽きません。
このような冬の肌トラブルの原因とは何でしょうか?
その答えのひとつは血行不良です。
体にとって寒さはストレスであり、
その緊張が交感神経を優位に立たせ、血管を収縮させます。
平常時であれば、心臓から送り出された血液は、
体全体の細胞へ酸素や栄養、熱を供給し、
毛細血管まで行き渡った動脈血は、
二酸化炭素や老廃物を回収して
腎臓や肝臓を経由しながら心臓へ戻ります。
しかし、気温の低い状態では、
毛細血管が萎縮し、末端部での熱交換がスムーズにいかず、
血行が悪くするのです。
血行が悪くなれば、様々なトラブルを生じます。
老廃物の回収や筋肉で熱を作りだす能力が下がり、
末端の栄養不足は体内酵素の働きを鈍らせ、
代謝力もダウンします。
表皮の皮脂不足(潤い不足)によって、
シモヤケやヒビ割れ、冷え性に煩わされます。
血行不良はお肌にとって大変厳しい逆風ですが、
本来辛い水仕事を楽にするための給湯器のお湯が
これに追い打ちをかけます。
東京都水道局が公表している水道水の温度変化(平成24年度)
のデータによりますと、
水温が一番高いのは、8月の28.4度で、
一番低い水温は、2月の5.9度となっています。
多少個人差はありますが、
概ね20度を下回ると水を冷たいと感じるようになりますから、
給湯器の温度を25度ぐらいに設定しておけば冷たさを感じない、
ということになるのですが、気温が低いため、より温かい水を求めてしまいます。
無意識に温度調節をした水温をチェックすると、
ほとんどの方が、35度~40度、
つまりお風呂の温度を求めてしまいます。
暑い時期の水温が28度ぐらいですから、
夏の水温よりも高い温度の水を使っていることになります。
温かい水のほうが、油汚れは落ちるのですが、
油断すると自分の手の皮脂までも洗い流し、
水仕事が完了した時には、
手の皮脂もスッカリ流れ落ちて、
カサカサのお肌になってしまいます。
「冬は空気が乾燥するから、手の肌あれがひどくて…。」の
原因のひとつは、皮脂が流れ落ちてしまうほど高い温度のお湯を使う
ということになります。
したがって、冬の水仕事では、
冷たさが緩和できるように、ゴム手袋をはめて作業すると共に、
給湯器の水温を、25~30度程度に設定して
皮脂の保護することもポイントといえます。
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