秋深まれば、
食欲とどまるところを知らず…。
秋に獲れる食材は、
調理されて食卓を賑わすと共に、
ご飯と一緒に炊き込むと、
いっそう美味しくいただけます。
いわゆる炊き込みご飯は、
塩やしょうゆで下味をつけ、
米と共に栗やキノコ、魚貝類などを加えて、
炊いたごはん料理です。
今では地方によって
様々な食材との組み合わせがある
炊き込みご飯ですが、
その歴史は、
奈良時代までさかのぼります。
炊き込みご飯は、
米の収穫がまだ十分でなかったころ、
米の量を節約するために、
色々な具を混ぜたことから始まります。
食事の量を増やすために用いれられた食材には、
あわや麦、ひえなどの雑穀、野草が
使われていたようです。
室町時代の頃になると、
料理の種類の一つとして、
食べられるようになります。
「変わり飯」と呼ばれるこの料理には、
くり、豆、野菜なども一緒に炊かれるようになりました。
様々な庶民文化が花開いた江戸時代では、
竹の子飯、えんどう飯、だいこん飯、ねぎ飯、
かき飯、かに飯、とり飯など種類が増え、
旬の食材をお米と一緒に炊きこんで、
味や季節感を楽しむ料理へと進化します。
アメリカやヨーロッパのように
小麦を主な穀物として食べている国々では、
バターライスやサフランライス、ピラフのように、
食材と混ぜあわせたお米料理は、
添え物として出されますが、
米が主食の日本では、
炊き込みご飯は、食卓の主役です。
少し贅沢して、
国産の松茸を使った炊き込みご飯を、
一年に一度は食べたいものです。
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