古式サプリメント「米ぬか」

最近では、めっきり自家製のぬか床を使った漬物を
食べる機会は少なくなりました。

かつて各家庭にあったぬか床には、
その家独自の発酵菌が棲んでいたため、
嫁ぐ娘への嫁入り道具だった時代もありました。

ぬか床の中には、様々な菌が共生しています。

主に乳酸菌、産膜酵母菌や酪酸菌、
美味しい漬物には縁のない雑菌もいます。

空気を好きな菌と嫌いな菌が同居いているぬか床は、
独特の匂いが発生するので、
台所から遠ざけられたという歴史はありますが、
近年、整腸作用という点でぬか床が見直されています。

ぬか床に棲む酪酸菌は、腸内にも存在する乳酸菌の仲間で、
プロバイオティクス(腸内細菌のバランスを調節し、
宿主に有益な作用を与える微生物)として、
よい影響を与えます。

千葉医科大学衛生学教室(現 千葉大学医学部)の宮入近治博士が、
1933年に報告した酪酸菌のMIYAIRI株は、
胃酸や熱に対して抵抗性があり、
腸内有益菌と共生することで整腸効果を発揮します。

いわゆる善玉菌である酪酸菌は、
ぬか漬けに付いたぬかを食べることで簡単に摂ることが出来ます。

長年の間、御飯の脇役として食卓をなにげなく飾っているぬか漬けは、
古式のサプリメントとも言えます。

また、石鹸や美顔パックといった美容にも利用されている米ぬかは、
私達の生活の中で忘れてはならない食材として、
見なおされ、様々な利用法が研究されています。

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