健康な脚の見た目って?
「私の脚は健康!」と自信を持って言える方はどのくらいいるでしょう?最初に健康な脚のチェックポイントをお伝えします。
痛みがない・腫れていない
股関節や膝、足首に痛みはありませんか?関節に負担がかかりすぎると痛くなったり腫れたりすることがあります。痛い時や腫れがある場合には、無理は禁物、受診が必要です。
左右均等に体重がかかっている
待ち時間や乗り物中で立っている時に、左右の足に同じだけの体重をかけているか、足の指を5本ともしっかり踏ん張っているか、自分の体のバランスを感じてみましょう。いつも同じ足ばかりに負担をかけていると足の故障が増えるだけでなく、体中の関節のバランスに影響します。
足の指が宙に浮かずにしっかりついていることは転倒の予防にもなります。足の指の状態は履いている靴にも影響されますので、足の指を踏ん張っても痛みを感じない靴を選びましょう。
足が変色したり、脚の血管が膨れたりしていない
お風呂に入るときなどに自分の脚を眺めてみましょう。すねやふくらはぎにボコボコと血管が浮き出ていませんか?脚に回った血液は重力に逆らって心臓に戻らなければなりませんが、それがうまくいかない時に静脈瘤と呼ばれる血管内の血液が滞る場所ができてしまいます。これはよく「エコノミークラス症候群」と呼ばれている状態で、飛行機のエコノミークラスの狭い座席に長時間座っているような状態で起こりやすいことからこの名前がついています。災害時に車中泊した時など横になれずに足を垂らした状態で寝ると起こります。眠るときは横になること、時々脚を下から上へマッサージしてあげることで防ぐことができます。自治体によっては健診なども行われているようです。下肢静脈瘤では、足の血管でできてしまった血液の塊が心臓に流れて行ってしまい心筋梗塞を起こすことや、脳に流れて行ってしまい脳梗塞を起こすことがあるため、受診が必要です。受診するとお薬の他に、血液を戻しやすくするためのタイツなどが処方されることもあります。
次に、足先を眺めてみてください。爪がはがれたり傷ついたりしていませんか?皮膚が変色していませんか?脳梗塞や糖尿病などの病気や年齢を重ねていく中で足先の感覚はだんだんに鈍くなっていきます。傷ついていることに気づかずにいて、気づいた時には手術が必要になっていたなどということもありますので、注意が必要です。
また、足の指や爪の状態は合わない靴を履いていることで、外反母趾、巻き爪などの故障が起こることがあります。早めに見つけて受診する、靴を変える、などの対処をしましょう。
毎晩お風呂に入る時には、私たちの健康と生活を支えてくれている脚をよく観察して、マッサージしながら「今日も1日ご苦労様」といたわってあげてください。
健康な脚ができること
健康な脚の目安は何でしょう。まず、10分程度で1㎞、補助具を使わず休まず無理なく歩き続けられるかどうかです。10分の間に息切れしてしまったり、とても時間がかかってしまったりすることがありますか?青になってすぐ横断歩道を渡り始めたのに信号を渡り切れなくて困ってしまうことがありますか?
次に、バランスを崩してよろけた時に、もう一歩踏み出して踏ん張れるかどうかです。これができなくなると転倒のリスクが高くなります。
最後は、少しの間なら中腰に耐えられるかどうかです。これは前回の「トイレに自分で行ける脚」で詳しく触れました。少しの間スクワットのような中腰を維持できるということが、日常生活動作を行う上で要となるのです。
この3つのことができれば、近所に買い物に行くことができ、段差を乗り越えてバスに乗ることができ、転ぶリスクも低いので、生活の中での不自由さは多くないのではないかと思います。
でも完璧でなくて大丈夫
ここまで読んでいただいて、「まだまだ大丈夫」と思われた方、心配になってしまった方、それぞれいらしたと思います。完璧な脚を目指さなくても大丈夫です。誰かと比べた脚の健康ではなく、あなた自身の脚の健康を維持していくために、これからできることはたくさんあります。
次回以降では今日の自分より明日の自分の脚がさらに健康になるためにはどうしたらいいかを考えていきたいと思います。
今日の復習
・1日1回、自分の脚を観察しよう
・自分の脚への感謝の心を忘れずに
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