周りを海に囲まれている日本では、
海の生き物を食材として使うことは
宿命と言っては大げさでしょうか。
しかも太平洋、日本海、オホーツク海、東シナ海など
様々な環境で育まれた海産物は、
それぞれ個性的で美味しいものばかりです。
黒潮、親潮に乗って日本近海にやってくる
高級魚のマグロやカツオ、季節を感じさせるサンマや
一年中近海で水揚げされる青魚のアジなど実に様々です。
季節によって魚の種類を区分けすることもできますが、
白身魚であるキスやヒラメ、
赤身魚のカツオやマグロという肉の色で
魚の種類を分けることもできます。
この肉の色の違いは、
それぞれの魚の暮らし方が
大きく関わっています。
カツオやマグロは、
長い時間、活発に遊泳するため、
赤筋と呼ばれる持久力のある筋肉が多く、
ヒラメなどの白身魚は、
瞬時に獲物に襲いかかったり、
逆に逃げることができる白筋が多いなど
それぞれの筋肉は特徴的です。
ところで赤身の魚にも白身の魚にも
血合肉と呼ばれる部位があります。
魚類特有の筋肉である血合肉は、
運動に必要な酸素であるミオグロビンという
色素蛋白質(赤黒い色の素)を補給し、
肝臓に似た働きもすることから
第二の肝臓ともいわれています。
血合肉は魚類特有の筋肉で、
赤黒く新鮮さを欠き、生臭さが強いため、
残念ながら捨てられる場合が多いです。
しかしその筋肉には、
グリコ-ゲンやビタミンB群、鉄分が多く含まれ、
捨てるにはもったいない部分です。
家庭で食べる際には、味付けを工夫することで、
お魚の元気の素をしっかりいただきましょう。
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