人が決める発酵と腐敗

夏の高温多湿は、食材の傷みを早くするため、
保存や料理法に気をつけなければなりません。

「食材が腐る」という意味は、
タンパク質やアミノ酸などが
微生物に分解され、硫化水素やアンモニアが
生成されることです。

食材からは徐々に腐敗臭が発生し、
最後には食べられなくなってしまいます。

同じように微生物が食材を分解する現象を
「発酵する」と表現する場合もあります。

発酵も微生物の働きによる食材の変化です。

発酵によって食材に含まれる糖類などが
乳酸やアルコールなどに分解されます。

また蒸した大豆に加えた納豆菌によって
大豆のタンパク質がアミノ酸に分解される発酵もあります。

いずれも微生物が関わっている発酵と腐敗ですが、
人間にとってメリットがあれば発酵と呼び、
デメリットであれば腐敗という表現をします。

とは言え、発酵と腐敗の境目は微妙で、
牛乳が微生物によって分解されて凝固したものを、
ある時は腐った牛乳と呼び、ある時は乳酸菌発酵食品と呼びます。

腐敗した食材とは言っても、
食べたから必ず食中毒になるということはありません。

食べられないわけではありませんが、
特定の病原微生物が、食品の中で増殖する、
あるいは毒素を作ってしまうと食中毒が起こります。

したがって腐敗した食品を食べてはいけなということになります。

実験的に微生物が腐敗や発酵に関わっていることを
18060年代に証明したルイ・パスツール(Louis Pasteur)から
まだ150年ほどしか経過していません。

正体が解明されていない微生物の活動が、
まだまだ地球には潜んでいるのでしょう。

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