炭酸と二酸化炭素

動物は呼吸をすることで、体内に酸素を取り込んで、
二酸化炭素を体外に排出します。

酸素の分子式はO2(オーツー)、
二酸化炭素の分子式は、CO2(シーオーツー)です。

体中に取り込まれた酸素は、血液に溶け込み、
全身に運ばれます。

その酸素によって細胞の中あるミトコンドリアが化学反応を起し、
活動のためのエネルギーを生成します。

エネルギーを生成する過程で発生した二酸化炭素は、
酸素と交換された後、血液に取り込まれて、
肺に送り戻され、再度酸素と交換を繰り返し、
呼吸によって外へ排出されます。

二酸化炭素は、燃焼に伴う排出物ということです。

石油や石炭など化石燃料の大量使用によって、
空気中の二酸化炭素濃度が上がり、
その結果、地球が温暖化の方向へと進みつつあるということが、
世界的な問題となっています。

このように気体の二酸化炭素は、
やっかいな存在です。
(植物にとっては、光合成に不可欠の物質ではありますが…。)

気体の状態の二酸化炭素を、炭酸ガスとも呼びます。

炭酸ガスが個体になるまで冷却されるとドライアイスになります。

また炭酸ガスが水に溶けこむと炭酸水となります。

分子式は、H2CO3(エイチツーシーオースリー)です。

空中に浮遊する炭酸ガスは、ヒトにとってあまり役に立っていませんが、
炭酸水は、少し事情が変わります。

そのひとつが血行促進です。

炭酸泉で有名な大分県竹田市の長湯温泉には、

炭酸の含有率が市販の炭酸入浴剤よりも高濃度と言われる
「ラムネ温泉」があります。(※1)

二酸化炭素(炭酸ガス)が皮膚付近の毛細血管に沁みこむことによって、
血液中の二酸化炭素の濃度が上昇します。

そのため増えた分の二酸化炭素を早く排出しようと血流が増え、
血液の循環が促されます。

炭酸泉に入浴することで、冷え性、高血圧、肩凝りや血行障害の改善など
幅広い効能が期待できます。

※1 ラムネ温泉の炭酸濃度
竹田市の観光情報によると、長湯温泉の炭酸濃度は、
大手化学メーカー花王の炭酸入浴剤と比較した場合、
7倍以上と公式に認めています。

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