美しい身だしなみという漢字

「名は体を表す」とは、
付けられた名前が、
その物や人の性質や実体を表すということです。

同じような言葉に
「体は心を表す」という言葉もあります。

心得や心の持ち方が、
姿勢やしぐさ、内面から発せられる雰囲気や容姿に
表れるということでしょう。

漢字にもその造りが、
心の持ちようを表している、
あるいはそのような形になることを望むという想いが
込められている漢字があります。

子供の頃から社会での守るべきことや作法を教えることを
「しつけ」と言います。

箸の持ち方、お茶の飲み方から始まり、
初対面の人と会う時のあいさつなど、
暮らしの中の全ての礼儀や作法を教えることです。

昔から「しつけ」とは、
「しつける(しぐさや言葉を行ない慣れる)」、
あるいは「し続ける(行い続ける)」に通じると言われてきました。

学校から帰った子供たちが、
玄関でクツを揃えずに家の中へ入るときに、
「ちゃんとクツを揃えてから上がりなさい。」
と叱るお母さんの行為は、理解できるにしても、
しつけという面からはよろしくないと言えます。

しつけの中での解決法は、
脱ぎ捨てたクツを何も言わずに母親が、
自ら並べなおすことを続けることです。

これがしつけとは、到底信じられませんが、
並べ直すことの繰り返しによって、
子供たちは、母の姿を学んでいくのです。

母親が乱雑に並んだクツを喜んで並べる姿を見ることで、
子供たちは、整理整頓された玄関が、
気持ちの良いものだと理解できるようになり、
自ら進んでクツを並べるようになるまで、
辛抱強くクツを並べることを「し続ける」ことが
回り道のようで早道なのです。

「なにを悠長な…。」というお言葉が、
聞こえてきそうな話ですが、
漢字にその真実が見られます。

しつけという言葉を漢字で書くと「躾」となります。

「身を美しくする」ことが「しつけ」とは、
なんとも先人が残した漢字には、
落語に出てくる長屋のご隠居さんを彷彿とさせる、
粋な姿を感じます。

さてこのクツの揃え方の躾が真実か否かは、
実践して明らかにするしかありません。

躾る側の胆力を試されることなりますが…、
さて真偽は如何に。

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