気温が高くなるこの時期には、
驚くほどの勢いで植物が成長します。
太陽の強烈な光を利用することで、
植物は、成長に必要な栄養を生産し、
その副産物である酸素を排出します。
動物にとって生命の維持になくてはならない酸素を
創りだしてくれる有り難い植物ですが、
それと同じくらい水の浄化に貢献していることを
ご存じの方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
たとえば森の木々たちは、
動物にとっては汚染された物質である
栄養塩類を分解吸収し、
多量の水とともに貯蔵します。
また落ち葉などの腐敗物を栄養とする
細菌やキノコもまた水の浄化に寄与しています。
川沿いに繁るヨシが持つ水の浄化能力については、
ご存知の方も多いはずです。
生活排水による汚染が深刻な千葉県の手賀沼の水を使って、
東京のテレビ局がヨシの浄化能力の調査をした結果、
ヨシが生えている場所の土と何も生えていない場所の土では、
ヨシが生えている土の方が水の透明度を高め、
濾過した水に含まれている窒素、リンの含有量を
低くすることが明らかになりました。
ヨシは成長が早いため、
水の中の土や水から窒素とリンをより多く吸収するためです。
またヨシは塩分に強い植物です。
潮の満ち引きによって海水が入っている場所でも、
地下茎に塩分を溜めて生育できます。
私たちが植物を守ることは、
私たちの生きる環境を守ることと直結しているといえます。
庭や畑に活きよいよく繁る雑草には手を焼きますが、
地球全体で考えると、
かけがえのない命の連鎖を支える
大切な資源ともいえそうです。
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