かつて海で生まれた生命が、様々な進化の道を辿り、
陸上に進出し、様々な植物や動物に進化していったということを
学ばれたと思いますが、その進化は過去のものであり、
進化は既に完了したと思われている方も少なくありません。
しかし生物の進化は、科学が発達した現代であっても続いています。
そのような進化の手助けに人間が関わっている場合もあります。
品種改良がその一例でしょう。
たとえばトマトは、
南アメリカのアンデス山脈高原地帯が原産のナス科の植物です。
南アメリカに到達したスペイン人が、16世紀にヨーロッパに持ち帰り、
その後の品種改良によって、
現在では8000種類以上ものトマトが存在しています。
味や糖度が高く、収量が多いなど様々な特徴を持つ
トマトが登場しています。
遺伝子が直接にコントロールされた品種も登場しています。
しかし品種改良のトマトとは全く違った経過で生まれるトマトもあります。
それは突然変異です。
無数の数字のあるサイコロのようなもので、
どのようなものが出るかはわかりませんから、
人間にとってメリットのない想定外のトマトもあります。
どこにでもある普通のトマト畑から、
限りなくゼロに近い確率ではありますが、
未来を切り開くトマトが現われます。
害虫に強く、収穫量が多く、
痩せた乾燥した土地でも元気に育つ自然が生み出す
ハイブリッドの品種です。
そのような作物を環境適用種といいます。
いつどこで登場するかは誰にも分かりませんが、
トマト畑のどこかで見つけられる日を待っています。
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