学校の授業では、絶対的存在である黒板ですが、
最近の黒板は、黒というより緑色です。
明治時代には、黒板の原点ともいえる「塗板」が誕生し、
主に寺子屋などで使われるようになります。
ただし黒板というより掲示板程度の大きさでした。
明治5年(1872年)日本の学校制度が開始された年に、
アメリカから書き消しが可能な大型の黒い板、
いわゆるblackboard(ブラックボード)が東京大学の前身であった
大学南校に初めてお目見えしました。
数年後には、 国産の黒板製造も始まります。
当初は、墨汁を塗った板に柿渋を上塗りしたものや、
硫酸鉄と煎液の混合液を塗った簡易的なものでした。
その後、国産の黒板製造会社で黒板が作られるようになると、
全国に普及します。
第二次世界大戦後、
黒板塗料の材料である漆の調達が困難になる時代もありましたが、
黒板の色は黒のままでした。
昭和29年にJIS規格が制定され、
塗面は黒から緑に変わりました。
■忙中閑有り…
小学生時代の掃除の時間に、
黒板消しを叩くとモウモウとチョークの粉が舞い、
閉口したものですが、チョークの原料が何かご存じですか?
※答えはこのコラムの一番下にあります。
その後、校舎の建て替えのときや、
老朽した黒板を付け替える際に、
黒い黒板は緑色の黒板へと交換され、黒い黒板は姿を消します。
今でも歴史ある公共の建物に黒い黒板を見かけることがあります。
個人的には、郷愁の黒い黒板ということになるのでしょうか。
子供時代と黒板は、切っても切れない関係ですから、
学びやいたずら書きを含め、
黒板の思い出はきっとあるはずです。
平成時代の小学生にとっては、書いて字のごとく
黒い色の黒板を見る機会はほとんどないでしょう。
■チョークの原料は『硫酸カルシウムと炭酸カルシウム』です。
一般的にチョークの主成分は、この2種類です。
石膏の主成分の硫酸カルシウムのチョークは、
柔らかく軽い為、太い線が簡単に引けます。
もう一つは、貝殻や卵の殻を加工した炭酸カルシウムを
圧縮して整形したチョークです。
固くて重いので、細い線になります。
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