この記事では、パパイヤとがんに関する研究結果から、パパイヤの効能を一緒に深めていきたいと思います。
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パパイアに著しい抗がん特性
岡山大と鹿児島大共同チームの研究結果
米フロリダ大学が日本との共同研究で、パパイアの葉のエキスに著しい抗がん特性を認めたとする研究結果を発表しました。この研究は、医学誌『Journal of Ethnopharmacology』(民族薬理学)2月号に掲載されました。
同大のナム・タン研究員(Nam Dang)と日本チームの研究員は、乾燥したパパイアの葉から抽出したエキスで、10種類のがん細胞に垂らし、24時間後に効果を調べた。その結果、すべての腫瘍の進行が遅くなっていたことが分かった。また、パパイアエキスの濃度が高いほど効果が高いことも明らかになった。
参照:米国フロリダ大学(2010)「パパイアに著しい抗がん特性、日米共同研究」,AFP通信
なんと、頸部がん、乳がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がんで抗がん効果が確認されたとのことです。
パパイヤ葉エキスが免疫系の調整を助けていると示唆
研究員の方々注目したのは、パパイヤ葉エキスの「Th1型サイトカイン」。
Th1型サイトカインは、シナリング分子(細胞間の情報伝達機能を持つ化学物質)の生産を促すことで免疫系の調整を助けているのではと分析しています。
パパイヤのエキスは、正常細胞には危害を加えず、現行のがん治療の副作用を軽減することも分かったことにより、免疫系に働きかけるがん治療法への応用が期待されます。
パパイアの種に大腸がん抑える食品成分
岡山大と鹿児島大共同チームの研究結果
2014年に岡山大と鹿児島大のチームが、パパイアの種などに含まれる成分に、大腸がんの増殖を抑えるタンパク質の働きを高める機能があることを発表しました。研究の成果は、英オンライン科学誌に掲載されました。
パパイアの種やキャベツ、クレソンの一部に含まれる食品成分「ベンジルイソチオシアネート(BITC)」を人の大腸がん細胞に加えると、がん抑制タンパク質が、がんを増やす、過剰蓄積したタンパク質に結合し、がん増殖遺伝子の働きを邪魔した。その結果、がんの増殖も抑えられた。
参照:「大腸がん抑える食品成分を解明 パパイアの種など、岡山大」日本経済新聞
ここで、研究の主要メンバーである岡山大の中村宜督教授による説明を分かりやすく説明しましょう。
2、がん細胞の増殖させる遺伝子の働きが活発になる
3、パパイアの種のBITCががんを増やすタンパク質と結合する
4、がん増殖遺伝子が減る
結果:がん増殖が抑えられる
パパイヤは果物です(宮古島においては野菜の認識)。自然界で採れる自然なパパイヤが、これから、より安全性の高い抗がん剤を開発に繋がっていくとされます。
ベンジルイソチオシアネート(BITC)って何?
ベンジルイソチオシアネートは、主にアブラナ科の野菜に含まれる栄養成分です。マカの有効な辛味成分で、抗菌効果を持つという研究もあります。
※Kassie F(1999)「自然の発ガン抑制作用を持つ、ベンジルイソチオシアネートの遺伝毒性」Mutagenesis,オーストラリアガン研究所,Nov14(6),p.595-604
※上井 恵理(2009 年)「ベンジルイソチオシアネートの抗菌効果」食品衛生学雑誌,50巻6号 p..311-314
BITCはすりつぶすことで効果が出るが、大量に摂取すると体に悪影響が出るとも言われています。
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