うつ病の人がうつを治療するための薬を服用すると便秘になるという説があります。
何故うつのような精神的な症状の改善のための治療薬を服用すると腸に影響を及ぼすのか不思議に思う方もいるでしょう。
この場合は、単に薬の副作用だったかもしれませんが、実はうつと腸はとても深い関りがあったのです。
そうは言うものの、うつ病の原因はいまだに不明な部分が多いと言われているようです。
今日は腸内環境とうつにどんな関係があるのか探ってみたいと思います。
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腸内フローラとは
最近では、腸内環境や腸内バランスといった言葉がメディアでもよく聞かれますね。
そして、その腸内にはビフィズス菌や乳酸菌などが良いということもよく知られています。
菌というと汚いイメージがありますが、腸内には体に良いたくさんの細菌が存在しています。その数は約100兆個とも言われているのです。
その中でも回腸から大腸までに多数の腸内細菌が腸内の壁面に生息しています。
その様子がまるでお花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれています。
この腸内フローラのバランスが崩れると便秘や下痢を引き起こしてしまうのです。
では良いバランスというのはどういうことなのか見ていきましょう。
腸内フローラの種類とバランス
腸内フローラの種類は大きく3つに分類されます。
1善玉菌(有用菌)
悪玉菌の侵入や増殖を防止、免疫力の向上、腸の蠕動運動促進、ビタミンなどの合成、消化吸収の補助など人の体に良い働きをする。ビフィズス菌、乳酸菌など。
2悪玉菌(有害菌)
腸内腐敗、有毒物質・発がん物質の産生、免疫力低下。ウェルシュ菌、ブドウ球菌など。
3日和見菌
善玉菌とも悪玉菌とも言えないが、体調を崩すと悪玉菌として働く。大腸菌、バクテロイデスなど。
普通、健康な人の腸内は善玉菌が悪玉菌を抑えて腸内フローラのバランスを維持しています。
それが、何かしらの原因で悪玉菌が優勢になると腸内で腐敗が進んでしまい腸内フローラのバランスが崩れ、便秘、下痢、やがてはうつなど様々な病気を引き起こしてしまうのです。
その原因とは何なのでしょうか。
便秘の人はうつになりやすいの?
便秘とうつ、あまり結びつかない関係に思えませんか?
便秘でイライラしてうつ病になるのでしょうか
それもあるのかもしれません。
うつ病の原因はいまだにはっきりとは分かっていません。
ですが、最近は腸内環境と脳の関係がうつに影響を与えているのではないかと考えられているようです。
うつ病の原因の1つに挙げられているのが脳内伝達物質の不足です。
脳内伝達物質には「セロトニン」「ドーパミン」「ノルアドレナリン」などがあります。
その中でも特に「セロトニン」は幸せホルモンと言われています。
「セロトニン」などの脳内伝達物質を作りだしてくれる臓器こそが腸なのです。
脳内伝達物質を作ってくれる臓器が不調なのでは幸せホルモンなんて分泌なんてされませんよね。
これらの脳内伝達物質が正常に働くことでうつなどの病気は防げます。
ところが、何かしらの原因でこの脳内伝達物質が働かなくなるとうつ病などを引き起こしてしまうのです。
その原因こそが腸内環境の乱れ、便秘なのです。
過敏性腸症候群の人もうつになりやすいの?
過敏性腸症候群も便秘と同じように考えることができます。
腸内フローラのバランスが悪くなっているのです。
先ほども述べたように、腸と脳の関係はとても深く腸内環境を整えることでうつ病の改善も期待できるようです。
ヨーグルトとうつの関係
では、具体的にどのようにすれば腸内環境を整え、腸内フローラのバランスを良くすることができるのでしょう。
答えは、善玉菌を優勢にするのです!
そこで登場するのがヨーグルトの力です。
皆さんもヨーグルトにはビフィズス菌や乳酸菌が含まれているので摂取している人も多くいますよね。
では、ヨーグルトを選ぶ基準は何でしょう。
ヨーグルトは製品ごとに使われるビフィズス菌や乳酸菌の種類が違います。また、菌により機能が異なるのでどの製品からも同じ効果があるとは限りません。
ヨーグルトを食べたからと言って菌が腸内に定着するとは限りませんが、何日か生存していて結果として常在するビフィズス菌や乳酸菌などを増やしてくれる働きをしてくれると言われています。
また、ビフィズス菌や乳酸菌の多くは胃酸に弱く、空腹時に食べると胃酸に負けてしまうことがあります。なるべく、食事中か食後がおススメです。
腸内環境を整えるためには、自分と相性の良いものを見つけることも大切です。
まずは、同じヨーグルトを毎日200~300g1週間程食べ続けて便の状態、体調の変化などをチェックしてみることから始めましょう。
1度にたくさん食べるのではなく、毎日食べ続けることが重要です。
下記は厚生労働省が生活習慣病予防のために発表した文章を引用しました。
腸内の善玉菌の割合を増やす方法には、大きく分けて二通りあります。まず一つめは、健康に有用な作用をもたらす生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。食品ではヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。
バージニア大学(米)で行われたヨーグルトとうつ病に関する研究
≪バージニア大学で、ヨーグルトに含まれるプロバイオティクスがうつ病の症状を改善しうるという研究発表がなされました。(参照)・Eurek Alert≫https://woman.excite.co.jp/article/beauty/rid_Doctorsme_5864/
ヨーグルトは苦手!という人は
ヨーグルト、苦手な人もいますよね。
そんな人は健康食品から乳酸菌などを摂る方法も!
特に男性はヨーグルトが嫌い、面倒くさいといった人が多いかもしれません。
ヨーグルトと同じような効果の発酵食品で乳糖や乳酸菌を含むものや、食物繊維やオリゴ糖などを含む生きた酵素系のものが良いかもしれませんね。
このような健康食品は、女性ばかりが手にするようなイメージですが、お腹の調子を整えたい男性は意外と多く、是非、試していただきたいと思います。
まとめ
便秘や過敏性腸症候群など腸の働きが悪いことで起こるうつ病ですが、腸内環境を整えることで、脳内伝達物質の働きを良くしてうつ病の予防、改善につながるようですね。
皆さんも毎日ヨーグルトを食べてビフィズス菌100憶個、健康な腸を目指しましょう!
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