ヒトが常時二足歩行をするようになって、
他の動物にはない特殊な能力を
備えることになったのですが、
プラス面とは逆に、
骨格的には、いくつかマイナス面が潜んでいました。
例えば、
脊椎が重力と直角に立つことによって、
頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)が
だるま落としの積み木のように重なるため、
一番下の腰椎(特に第4、5腰椎)に負担がかかり、
腰痛の原因となります。
特に座って前かがみの姿勢で
長時間デスクワークをする、
最近問題になっている「歩きスマホ」のように、
うつむいた状態で歩くことで、
頚椎の生理的前湾角度※1が、
慢性的に歪んだ状態となり、
腰椎ばかりでなく頚椎の前湾角度まで歪み、
頭痛・首の痛み・肩こりといった症状に陥ります。
頚椎の前湾角度30度以下の状態を
ストレートネックといいます。※2
ストレートネックの端的な表現は、
猫背です。
背中が丸まり、首が前に突き出た猫背は、
立ち姿としての見栄え以上に、
首や肩のコリ、血行が悪くなることで、
頭部への血液や栄養分がいきづらくなり、
皮膚の新陳代謝が滞ってしまいます。
平均的な頭の重さは、5~6キロあり、
それが、きちんと頚椎に支えられることで、
胸椎や腰椎とバランスを取ります。
頭部への血流が悪くなると
代謝が悪くなり、
お肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンが減り、
目の周りのクマやくすみが目立つようになります。
姿勢よく頭部が頚椎に乗っている人より、
顔の皮膚や筋肉が、
重力に引っ張られて、
たるみの原因にもなります。
鏡を床に置き、
自分の顔を覗いてください。
姿勢を正して正面を向いている時の顔を比べると、
頬の肉やアゴ周りの肉が垂れ下がった状態で、
顔の輪郭が四角になっているように見えるはずです。
逆に天井に鏡をかざして
自分の顔を見ると、
アゴ周りはスッキリとして、
小顔になるのが分かります。
その差は歴然です。
地球の重力は、
かなり強力に顔の皮膚を
引っ張っているのです。
-重力と脊椎が上手に付き合うためには- へ続く
※1頚椎・胸椎・腰椎部の 24個の椎骨の理想的な位置関係や骨盤の傾斜角度。
※2正常な前湾角度は、30~40度。
コメントを残す