夏の正念場とも言える8月が始まりました。
高い気温は、体の調子を狂わせる大きな原因ですが、
夏の太平洋高気圧が、
湿り気をタップリと含んだ空気を南から運んできます。
湿度が高くなると、汗の蒸発による体温調節が妨げられため、
内部に熱がこもり、代謝機能がパワーダウンするため、
体は、高温・多湿のダブルダメージを受けることになります。
その結果、体の動きが鈍くなって
食欲不振に陥り、夏バテになってしまいます。
江戸時代には、食欲が落ちるこの暑い時期に、
体力回復のために甘酒が飲まれていました。
現代の日本人にとって甘酒は、
寒い冬や端午の節句に飲むものという概念がありますが、
江戸時代は、「甘い、甘い、あ~ま~ざ~け」と
売り歩く甘酒売の行商人が、夏の風物詩だったそうです。
したがって、俳句や短歌の世界では
「甘酒」は夏の季語になっています。
「甘酒」とは、炊いた米と麹を発酵させたもので、
米のでんぷん質が糖化されているため、
ブドウ糖が20%以上含まれる甘い飲み物です。
アルコール分は含まれていませんが、
日本酒を作る工程と同じですから、
「甘酒」という名がついています。
甘酒は醗酵によって、
ブドウ糖やビタミンB1、B2、B6、必須アミノ酸など
に組成され、また醗酵食品としての腸内環境を
整える性質も備えます。
江戸時代には経験的に、消化が良く栄養素を豊富に含む甘酒が、
夏バテ対策の栄養飲料として飲まれていたのでしょう。
冷凍室で甘酒を凍らせれば、
ほどよい甘さとさわやかな酸味が楽しめる
シャリシャリ甘酒シャーベットになります。
しょうが汁を数滴垂らして、夏の味にアレンジすれば
ノンアルコールの栄養満点の「飲む点滴」にもなります。
蝉しぐれを聞きながら食べる甘酒シャーベットで
暑気払いはいかがでしょうか?
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