強靭な心臓を持ったタフなアスリート、
心臓に毛が生えた様な度胸満点のヤツなど、
休むことなく働く心臓は、
強く逞しい象徴としてイメージされています。
人を含め動物には、
心臓がひとつしかありません。
しかし、心臓と同じ働きをして、
血液を送る働きを持つ
第二の心臓とも呼べる場所があります。
それは、ふくらはぎです。
脚と脊椎を垂直に立てて行う
直立二足歩行を始めた人の祖先は、
大きな脳を包む頭蓋骨を
その上に乗せることができるようになり、
その結果、現在のような高度な文明を
築くことができました。
しかし、4本足歩行の動物と比較すると
体の高い位置に心臓があり、
また足先と心臓の高低差を補うためには、
様々な肉体の進化が必要でした。
そのひとつが静脈の内部にある
逆流防止の弁です。
逆流防止弁の役割を例えるならば、
灯油を石油ストーブに移すときに使う
ジャバラの手動ポンプとでも言えるでしょう。
ふくらはぎの中にある静脈は、
ジャバラが灯油を送り出すように、
ふくらはぎの筋肉が収縮することで、
血液が重力に逆らって、
心臓の方へピュッと送り出されます。
次にふくらはぎの筋肉が弛緩すると、
ストローで吸い上げられるように、
末端の血液が吸い上げられます。
牛の乳搾りにも例えられるこの作用は、
英語では「ミルキングアクション」と
呼ばれています。
筋肉ポンプは、
ふくらはぎの筋肉以外にもあります。
肩こり解消のためにプールで泳ぐと、
肩回りの筋肉ポンプが働き、
肩に滞った血液が流れるようになります。
したがって疲労物質が体に溜まっている場合には、
家で動かずにゴロゴロとせず、
散歩などをすることで、
ふくらはぎや肩周りの筋肉ポンプを動かし、
全身の血液の流れを活発にすれば、
疲労物質を肝臓へと運ぶ手助けができます。
体を動かすことで筋肉ポンプが活用され、
疲れが取れるということになります。
せっかく持っている第二の心臓ですから、
しっかり動かして有効に使いたいものです。
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