人間とミツバチの付き合いは大変古く、スペインのアラニア洞窟で
発見された新石器時代と推定される岩壁彫刻には、
梯子を使って洞穴にある巣からハチミツを採集する人の様子が
描かれています。
またギリシア神話に登場するアリスタイオスは、
養蜂の神として知られています。
日本におけるミツバチを利用したハチミツ採取の歴史も古く、
平安時代後期に編纂された今鏡には、藤原宗輔(むねすけ)という
蜂飼大臣(はちかいのおとど)についての記述が残っています。
さて、沖縄で飼育されているミツバチの話に戻りましょう。
沖縄産のプロポリスの起源植物として、ミツバチが選んだ植物は、
オオパギ(学名:Macaranga tanarius)でした。(※1)
奄美大島より南で見られる日本名:オオパギ(大葉木)は、
沖縄県ではいたるところに見られる植物で、
名前の通り大きな葉を持つ植物です。
沖縄産プロポリスの起源植物であるオオバギを分析した結果、オオバギの葉には、
高い抗酸化と抗菌活性を持つプレニルフラボノイドが含まれていることが
明らかになりました。(※2)
それ以前は、まったく注目されていなかった植物であるオオパギは、
ミツバチの抗菌成分を持つ植物を探偵する能力のおかげで、
人間が実用的に利用できる可能性を持つ植物として
認められるようになりました。
今後オオパギに含まれる機能性成分の有効利用が、期待されています。
※1:沖縄産プロポリスの起源植物オオバギの発見と素材化に向けた研究
(2010年12月 ISSN国際標準逐次刊行物番号 03882217)
※2:フラボノイドとは植物性食品にみられる代表的なポリフェノールで、
プレニルフラボノイドには、がん細胞増殖抑制、抗酸化活性、抗菌活性などを
有することが明らかになっています。
コメントを残す