日本にいる2種類のミツバチ

日本には、セイヨウミツバチとニホンミツバチが生息しています。

同じミツバチですから、両方のミツバチの交配種(セイヨウミツバチと
ニホンミツバチが交尾した結果生まれる雑種)も存在しているように考えらますが、
実際には存在しません。

仮説として、嬢王蜂が交配するために巣の外に出て行なう
交尾飛行(ミツバチの交尾は空中で行われます。)の時間帯がズレているため、
交雑( 遺伝子組成の異なる系統間の交配によって、両方の系統の特徴を持つ雑種ができること。)
が起こらないと考えられています。

その根拠として、セイヨウミツバチの交尾飛行は13:00-13:30であり、
ニホンミツバチの交尾飛行は15:00-15:30ということで、
2時間ズレていることが示されています。

しかし現実としては、二つの種類の交尾は起きていると考えるのが自然です。

そこで玉川大学ミツバチ科学研究センターが行なった2種のミツバチの交尾の実験によると、
交尾はするものの、女王蜂が産んだ卵は孵化しないことが解りました。
(※1)

さてセイヨウミツバチは、日本になぜ棲んでいるのでしょう?

日本には、元来ニホンミツバチが生息していたのですが、
わざわざ明治10年に、セイヨウミツバチが輸入されました。

というのも、セイヨウミツバチは蜜を集める能力が高く(ニホンミツバチの4~5倍)、
花の種類ごとの蜜をとることができ、近年では副産物としてプロポリスも収穫できるため
現在飼育されているミツバチは、ほとんどセイヨウミツバチです。

かつては養蜂家もニホンミツバチを飼育していましたが、
強いストレスがかかると、巣を投げ出して逃げてしまうという欠点があり、
蜂蜜を集める能率も優れていませんでした。

なにか働き者でない、のんきなニホンミツバチですが、最近改めて注目されているのです。

次回は、【お気楽ニホンミツバチのヒミツとは?】

-続く-

※1:「ニホンミツバチの社会をさぐる」 玉川大学出版部 吉田忠晴著 ISBN 9784472302862)

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