静脈の血行を左右するポンプとは

酸素や栄養分を末端まで供給する動脈と、
二酸化炭素や老廃物を腎臓や肝臓、
そして心臓へと戻す静脈は、
体中をクモの巣のようにネットワークしています。

機能的には、いずれの血管も、
血液の通り道です。

動脈は、
血管の壁が薄くて硬い外膜、
厚く弾力性のある中膜、
いちばん内側には薄い内膜の
3層構造になっています。

心臓から強い力で送り出される血液を
拡張と収縮を繰返しながら、
全身へと送ります。

静脈の血管も、
動脈と同様に3層構造ではありますが、
壁の厚みが動脈と比較すると薄く、
弾力は乏しいです。

筋肉の運動など周囲からの圧力によって、
末端から心臓へと血液を送り返しています。

静脈の血液は、
筋肉の収縮によるポンプの働きで流れるため、
逆流防止のための弁が備わっています。

下肢の筋力低下や血管壁面の弱体化、
あるいは逆流防止弁の損傷や機能低下によって、
血管が、蛇行して浮き出てたり、
あるいはクモの巣状に青く透けて見える
静脈の血行障害「静脈還流障害(じょうみゃくかんりゅうしょうがい)」は、
見栄えが悪いため、
悩む人が少なくありません。

全身の中でも
特に腿の付け根や膝の裏に
多く発症します。

足がだるくなったり、
むくむといった自覚があるため、
患者の人にとっては深刻です。

この病気の前兆として、
朝には感じられなかった
足のむくみや足がだるい、
重い、疲れやすいといった倦怠感が、
夕方に症状として現れます。

この下肢静脈瘤とよばれる病気は、
ポンプとしての役割を担っている
ふくらはぎの筋肉を動かすことで、
予防や症状の進行を抑えることができます。

長時間立ったままの姿勢で
仕事をする人であれば、
時々足首を前後に動かすことを心がけたり、
運動不足の人なら
一つ手前のバス停で降りて歩くなど、
生活の中に簡単に取り入れられる方法を
実践することが大切です。

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