美人の湯の正体

環境省が発表した温泉地の数(2012年)は、
およそ3,000カ所と発表されています。

温泉の数は、都道県の温泉台帳の登録され、
そのデータは、環境省に温泉の戸籍として、
統計的にまとめられています。

昭和37年から統計が開始されて以来、
およそ50年の間に2倍に増えています。

突然温泉が湧き出したといった夢の様な話はほとんどなく、
ボーリングによって、温泉の数が増えた
というのが実際のようです。

逆に考えると、それだけ日本人には、
温泉を求める執念があるということなのかもしれません。

別府のように湧出量が豊富な温泉地であれば、
毎日温泉を利用することもできるのでしょうが、
ほとんどの家庭では、自分の家のお風呂に入ります。

自宅で温泉気分を味わいたいという人は、
温泉の成分が配合された入浴剤をお風呂に入れるなどして、
楽しみます。

伊豆の湯、箱根の湯など有名な温泉地のラベルに惹かれますが、
特に女性の方であれば、美人の湯と付けられた入浴剤は、
かなり魅力的です。

では、美人の湯の条件とはどのようなことでしょうか?

美人の湯といわれる温泉は、肌の老廃物を洗い流し、
湯上りのお肌はしっとりでスベスベということが基本です。

そのような効果が期待できる温泉のほとんどは、
重曹泉(炭酸水素物泉Ⅱ・Na炭酸水素物泉)です。

地下から湧出するときは必ずしもアルカリ性ではありませんが、
地熱で沸騰されると、溶けている炭酸ガスが放出され、
お湯自体はアルカリ性を示します。

血行を促進して血管を拡張する、
また皮膚の表面を柔らかくする効能があります。

重曹といえば、
キッチンの万能洗剤である重曹を思い出しますが、
その正体は「炭酸水素ナトリウム」、
「ナトリウム炭酸水素塩」で、重曹泉の主成分と同じものです。

重曹は非常に弱いアルカリ性に分類され、
少し触ったくらいで大事にはなりません。

ベーキングパウダーとしてケーキ用に使用されていますし、
歯磨きに利用する方や、
胃薬として利用している方もいます。

もちろん入れ過ぎは禁物ですが、
重曹を一握りほどお風呂に入れれば、
気軽に美人の湯を体験できます。

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